新型コロナウイルス感染拡大のもとで困窮する学生への
迅速な支援と補償を求めよう!
早稲田サークル文化をまもり発展させるために、
今こそすべてのサークルは力を合わせよう!
2020年5月3日 文化団体連合会常任委員会
生活苦を強いられる学生への学費・生活費の迅速な支援と補償を求めよう
すべてのサークル員のみなさん! そして新入生のみなさん! 安倍政権が生活補償を行なわないまま「緊急事態宣言」を発令して一ヶ月になろうとしている今、学業を継続できなくなる学生が急増していることが深刻な問題になっています。
多くの労働者が、政府の「休業」要請をうけた企業によって次々に解雇され生活の危機に立たされています。学生もアルバイト先の休業などで収入を失い、経済的な困窮が急速に拡大しています。内定取り消しを通告され、卒業後の生活の見通しが立たない状況に直面している学生もでています。このさなかに5月をもって前期の学費納入分の引き落としが始まった早稲田をはじめ、全国の大学において、学生は高額な学費負担(早大では半期納入分が文系学部約60万円、理系学部約90万円)に加えオンライン授業の導入にともなう通信環境の整備費用負担をつきつけられています。授業料や生活費をまかなう収入が絶たれているもとで、食費や水光熱費を切り詰め、学費の延納申請や休学をしてもなお学費の捻出が追いつかず、「退学するしかない」という決断にまで追い込まれている学生が急増しているのです。
みなさん!事態は切迫しています。退学の危機にある学生の支援がただちに必要です! 新型コロナの感染が拡大し続けるとともに、いまや大量の学生が困窮にあえぎ食費まで切り詰めて生活と生存そのものを脅かされているというのに、安倍政権は困窮する学生への支援にまったくのりだしていないのです。政府の「一律一人あたり10万円」の定額給付は、現金が手元に届くのが5月末であり、支給はたった一回のみです。明日の生活と今支払うべき学費の工面に苦しんでいる学生の窮状はこれで解決されるでしょうか? それどころか現状を全面的に救済・打開する策を政府・文科省は基本的に各大学にまかせたままなのです。
4月から政府が鳴り物入りで始めた給付型奨学金制度は、新型コロナ禍で家計が悪化した場合も制度を利用できるとされていますが、世帯収入などの基準を満たさなければならず、困窮する学生の多くを切り捨てるものです。そもそも学生が払えないほど学費が高いのは、政府・文科省が私学助成金を低額に抑制しているからです。政府・文科省は、直ちに学費を無償化し、経済的に困窮するすべての学生や家庭に対する支援と補償を無条件で行なうべきです!
この苦境を打開するために、すでに早大生をはじめ全国の学生が学費の減免や生活補償を求めて声をあげています。これをうけて早稲田大学当局も学生への10万円給付など5億円規模の学生緊急支援策を打ち出しました(4月25日)。私たちは、経済的困窮によって学生が退学・休学に追い込まれることを許さないために、全国の学生と連帯して声をあげましょう! 早大当局に対しても、支援のさらなる強化と、困窮するすべての学生に対する学費の減額・免除や給付型奨学金の拡充を迅速かつ柔軟に行なうよう求めていこう!
早稲田学生文化をまもり発展させるために力を合わせよう!
キャンパスや学生会館の封鎖が長期にわたり、早稲田のサークル文化活動はサークル員が集まることすらできないというかつてない困難に直面しています。このもとで多くのサークルがこれまで育んできた表現活動や理論研究を継続していくために、オンラインでの創意工夫した活動を展開しています。演劇サークルはリモート稽古や台本の検討、音楽サークルは楽器の音あわせや小編成の合奏といった活動にとりくんでいます。文芸作品の創作や評論会、語学講座を開催したりしている学術サークルもあります。どのサークルも制限された条件下でサークル活動をきり拓こうと奮闘しています。それだけでなく、新入生に対して文化系サークルの魅力を伝えるための活動紹介や宣伝活動をくりひろげ、まだ一度もキャンパスでの生活を体験していない一年生にサークル活動に参加することの楽しさや大切さを懸命に伝えてもいます。困難な状況下でも早稲田伝統のサークル文化の息吹を絶やさずに継承しているこうしたとりくみを、常任委員会は大変心強く誇りに思います。困難をきり拓きサークル活動の発展をかちとるために、文連加盟サークルは相互の連携をいっそうはかっていきましょう。
いま社会においては、政府の要請でライブハウスや小劇場、ミニシアターなどの文化施設が営業中止や廃業に追い込まれ、こうした施設の経営者やフリーランスの音響・照明技術者、発表の場を失った音楽家や演出家や俳優たちが、収入源を失い生活苦に陥っています。彼らは海外の文化支援に比して日本政府のきわめて貧弱な支援のあり方をも問い、休業補償と公的な資金援助を求めて声をあげています。文化施設における表現活動が新しい文化創造の源となっていることを自負し、文化の死を招いてはならないという気概で互いに連帯して経営上の困窮や困難に立ち向かっています。サークル文化活動に携わる私たちは、こうした方々とも連帯して早稲田学生文化をまもり発展させていきましょう。
「パンデミック」下において、緊急医療体制の弱さや医療物資の不足、社会的・経済的弱者への支援の不足といった社会の危機や矛盾が露呈しています。政府が医療体制を支えるための公的資金・物資の投入や社会的・経済的弱者への支援を滞らせてきたゆえに、私たちの生命が危険にさらされているのです。この責任はあげて政府にあるにもかかわらず、ウイルス感染の危険や、「自粛」が長びくもとで雇用や収入が悪化することへの不安や不満の矛先があらぬ方向へむけられています。患者の治療のために最前線で働く医療労働者を危険視したり、「休業・自粛」要請があっても経営を続けなくては生活できない小規模事業者を攻撃したりする差別的で排外的な風潮がつくりだされてしまっているのです。このような悪しき風潮にのみこまれることなく、時代の危機を突破する創造性と批判精神あふれる早稲田学生文化をつくりだすことが今ほど問われているときはありません。私たちは、文連の結束を強めてがんばろうではありませんか。
サークル活動への補償と柔軟な対策を求めよう
こんにちの事態のもとで私たちは、早稲田のサークル文化活動の衰退を許さず維持・発展させていきましょう。そのために、まず何よりも学生が経済的な理由でサークル活動への参加をあきらめなくてはならない事態を断じて許してはなりません。学生への抜本的な緊急支援策が急務です。困窮する学生への生活補償や奨学金のさらなる拡充を政府・文科省に求めよう。
さらに、早稲田においてサークル活動を行なっていくうえで次のことを当局・学生部に求めていきましょう。現局面でのサークル活動には、オンライン通信が不可欠になっています。そのための環境整備や通信費用の個人負担がすでに大きくなっている現状にふまえ、サークルへの通信費、通信機材費用などへの緊急支援や補助金支給の増額を求めよう。また、今年は新歓活動が中止になるとともに学生会館の閉鎖が8月まで続くため通常活動ができず、新入生のサークル入会もまだこれからです。このもとで、今後の新歓活動や通常活動の保障もないままサークル登録書類やサークル名簿の作成・提出が求められ、それができなければサークルの存続じたいを取り消されてしまうのはあまりにも理不尽です。書類や名簿をそろえることができずサークルの存続自体が困難になってしまうことがあってはなりません。サークル登録書類の提出期限は現在、「8月3日以降」と延期(4月30日学生生活課)されましたが、すべてのサークルが存続していくためにさらに大幅な延期や手続きの緩和・簡略化など柔軟な対策を求めよう。今年度のサークル新歓活動に代わる新入生への宣伝・勧誘活動の代替・補償を求めていこう。
サークル活動をつうじて表現活動や理論研究にたずさわる私たちは、憲法で保障された「言論・表現の自由」や「集会・結社の自由」などの諸権利を否定する動きにも警戒する必要があります。今、「緊急事態宣言」を全国に発した安倍政権は、職を失い日々の生活に苦慮している労働者や学生への生活補償もおざなりまま、この「宣言」を足がかりにして首相に国民の諸権利を制限する権限をあたえる「緊急事態条項」を自民党改憲案に盛りこもうとしています。こうした動きに対して心ある文化人・知識人が声をあげています。私たちはこうした方々と連帯して「緊急事態条項」をはじめとする憲法改悪に反対する声をサークルからあげていこう。
すべてのサークル員のみなさん。この困難な状況下にあっても創造性と批判精神ゆたかなサークル文化をつくりだすためにすべてのサークルは力を合わせてがんばりましょう。文連常任委員会はその最先頭で奮闘します。
サークル継続手続き書類についての要求書
2020年6月19日 文化団体連合会 6月12日に学生生活課が発表した「学生生活課事務所の窓口対応について」(以下「6月12日付文書」とする)において、公認サークル新規設立・継続手続き書類の提出期間が突如として提示されたことに対して、多くのサークルから疑問や困惑する声がでていることに鑑み、文連として以下のことを要求し、真摯な回答を求めます。 [1] 6月12日付文書では、公認サークル新規設立・継続手続き書類の提出期間が「8月3日(月)~7日(金)」とされています。3月28日以降の学生会館の閉館と、4月8日以降のキャンパス立入禁止措置いらい、私たちは今日まで集まることもできず新歓活動や通常のサークル活動がまったく行なえない厳しい条件のなかで、オンラインを利用した活動を工夫を凝らして行なってきました。これにより一定程度、新入生とのコンタクトをとることができたり、サークル員どうしのミーティングを行なったりしているサークルもありますが、芸術表現や理論研究などの文化活動をはじめ早稲田のすべてのサークル活動はオンラインの活動だけでは到底成り立つものではなく、本格的な活動については対面での活動が展望できる秋口まで見送らざるを得ないサークルも少なくありません。 このうえさらに8月1日まで学生会館の閉館と課外活動の自粛要請によって通常のサークル活動が制限され続けるもとで、今後のサークル活動の保障や新歓活動の代替措置もないまま、例年と同様に21人以上のサークル員の署名・捺印をそろえてサークル登録書類やサークル名簿を作成し提出することは非常に困難です。サークルがおかれている状況や払っている努力とかけはなれたところで、例年提出している書類や名簿を作成し期限どおりに提出することのみが一律に求められることにたいして疑問や憤りを感じます。 新歓活動を十全に実現したうえでサークル登録書類を作成する期間を保障することを求めるとともに、書類の提出期限の大幅な延期や手続きの緩和・簡素化などの対応を要請します。 [2] 6月12日付文書では、公認サークル新規設立・継続手続き書類のなかに「2020年度課外活動補助金計画申請書」の提出が含まれています。上述したように、2020年度の前半期の通常のサークル活動さえ成立していないもとで、今年度後半期の活動の計画や見通しについて予算を含めた具体的な計画を立てることじたいが非常に困難です。そもそも親の収入やアルバイト収入の減額に直面しているサークル員がこの数ヶ月で急増しており、サークル活動経費の捻出はこれまで以上に厳しくなってもいます。何とかサークル活動の予算計画を立て今夏から発表会やイベントなどの準備を開始したとしても、第二波、第三波の感染拡大状況の発生によっては途中で計画を中止しなくてはならない可能性にもさらされています。このような例年にない流動的な条件のもとで、サークル補助金申請についての計画をたて・書類を作成することは非常に困難です。リスクを回避するために予算規模を小さくすることによって、サークル活動そのものの縮小にもつながりかねません。このようなサークルが直面する財政上の問題について考慮し、申請書類の内容や期限の見直しを求めます。 [3]
そもそも、今回のサークル登録書類の提出期限といった公認サークルの存続にとってきわめて重要な情報が学生からの意見聴取もないままに決定されたうえ、サークル三役に対する通知さえ行なわれず「学生生活課の窓口対応」にかんする通知の一角に付属して提示されていることも大きな問題です。突然一方的に設定された提出期限までにサークル登録書類やサークル補助金申請の手続きをそろえることができなければサークルの存続じたいが失われるといったことは、早稲田のサークル文化をまもり・発展させていくうえで絶対にあってはならないことです。
すべてのサークルが存続していくために、公認サークル新規設立・継続手続き書類にかんする学生部と文連との協議の場をもつことを求めます。 [4] 今後のサークル新歓活動について、「密集を避ける観点から」実施しない(5月26日付「課外活動自粛に関するQ&A」)とされていますが、サークルの存続を保障していくためには、共同研究や共同実践する仲間として新入生を各サークルに迎え入れるための活動はきわめて大切です。必要な感染対策をとったうえでの新歓活動のあり方を考え・実現していく必要があるのではないでしょうか。今後の新歓活動の保障を求めます。 また、6月19日現在、都道府県をまたぐ移動やイベントの人数制限も緩和されています。必要な感染対策をとったうえで早期にキャンパス・学生会館を開放することを求めます。 以上について、6月26日(金)までに文書での回答を求めます。
以上
早稲田大学 文化団体連合会
学生会館メールボックスO-32
email: waseda-bunren@hotmail.co.jp